今日は福岡のとある和食料理店を営むご夫婦のお店にお邪魔し、集客のための打ち合わせをしてきました(唐揚げが最高に美味しいお店です)

こちらのお店はご主人が昔、福岡を代表する高級日本料理店で修行をなされ、創業から33年の経った老舗ですが、大手チェーン店の進出、常連客の高齢化による客離れなどさまざまな理由で経営に苦しんでいます。夫婦2人だけでの経営のため大きな収益を望んでいるわけではなく、夫婦2人が無理なく歳相応の働き方をして、生活最低限の収入を得るようにしたいというのが要望です。

今日はそんな打ち合せをする中で感じた飲食店を対象として感じたことを書きます。やや長文ですが、飲食店関係者の方はぜひお読み下さい。

競合ひしめく外食産業ビジネス

まず福岡の外食産業事情を簡単に調べてみました。福岡の飲食店軒数は56,918軒、県内全事業所のおよそ1/4は飲食店が占めていることになります。

ビューティー都市と呼ばれ、美容室が多いと言われる福岡(実際の絶対数は必ずしも抜きん出て多いわけではないみたい)ですが、それでも美容室の軒数は県内およそ6,800軒だそうなので、飲食店のその数は圧倒的です。

それだけ競争も激化し厳しい価格競争になり、町の小さな飲食店は細々と苦しい経営を強いられているお店がほとんどなんじゃないでしょうか。

業種転換しない企業に国の支援はない

話は少しそれますが、先日、補助金・助成金のセミナーに参加してきました。

そこで経営コンサルタントの方が言ってましたが、現在の安倍政権は、「創業、転業」に対しての補助予算をとっており、基本的に今までの業種を継続する企業を支援する補助制度はないそうです。

中小企業が正式に発表した資料によると

転業が我が国経済の新陳代謝や企業の成長、再生に重要な意義を果たしている

と書いてあります。

2020年に「なくなる仕事」の話

ちょっと前にこんな記事知ってましたか これが2020年のニッポンだ - わずか7年後、この国はこんなに変わる あなたの会社は消えているかもしれない「生き残る会社」と「なくなる仕事」教えますという現代ビジネスの記事が話題になりました。

2020年になくなる仕事① 2020年になくなる仕事②

 

2020年はたったの5年後。あっという間遠くない未来ですが、この記事が言っていることもあながち外れてはいないように思います。

何が言いたいかというと、これからまた時代は大きく変わり(人工知能の進化やグローバル化がどんどん加速するため)、これまではやってこれたビジネスモデルが同じように続けていくことは不可能になるのでしょう。

政府はそれを見こし、薄情なようにも感じますが「これまでと同じように事業をする企業 = 変化する意志がない企業は要らない」と言っているのです。

例えば飲食店に代表される店舗ビジネス。

好立地に店を構え、そこそこ美味しい料理(サービス)を提供すればそんなに苦労せずともやっていける時代がありました。しかし今は全く違います。

消費者は24時間365日「情報」に瞬時にアクセスすることができ、「味がいい」とか「サービスがいい」とかだけではうまくいきません。

どんどんと縮小するパイ(人口)に対し乱立する飲食店。

30年前に創業してこれまで事業形態を変えることなくやってきた、地域の飲食店には厳しい時代が訪れています。

飲食店が生き残るための戦略

さて、だいぶ前置きが長くなりようやく本題に入りますが、これから飲食店が成功するためにはどうすべきでしょうか。

キーワードは「予約制」「デリバリー」「ダイレクトマーケティング」だと私は思います。

予約制

現在の状況によりますが、経営が悪化する要因に「客数が減少している」「客単価が低い」「リピートにならない」が多くの割合を占めていると思います。

売上の公式は「売上 × 客単価 × 購買頻度」ですので、これが成り立たなければ間違いなく経営は悪化していきます。

であれば、予約制飲食店にするのはひとつの戦略です。

予約制にし、付加価値を与えることで客単価を上げることができます。

客単価を上げ予約制にすると間違いなく客数は減るでしょうし、長年の常連客からは批判的な声もあるでしょう。しかし顧客には理解を求め、勇気を持って事業転換をすることによって、仮に客数が減ったとしても、パレートの法則(2:8の法則)のとおり売上の大半は2割の顧客が持ってきてくれます。

デリバリー

これからの時代は来店型店舗ビジネス一本では、とても難しい時代に突入すると僕は考えています。

高齢化社会とインターネットとの共存のためにも、デリバリーができる飲食店は積極的にデリバリー(宅配)を行うべきじゃないかと思います。今やコンビニがデリバリーする時代ですから。

そしてデリバリーをおすすめするもうひとつの理由は、デリバリーをするためには顧客リストが必要になるからです。飲食店と顧客リストって、大手飲食店でない限りなかなか結びつかないのですが、飲食店も顧客リストをつくり、ビジネスを組み立てる必要があります。

ダイレクトマーケティング

「予約制」「デリバリー」と言ってきましたが、このふたつの戦略に共通するのは、「ダイレクトマーケティング」が原則となるということです。

予約もデリバリーもオーダーは全て顧客からの電話注文(またはネット注文)を起点に始まります。

顧客が「電話注文」という「アクション」を起こすためにはアクションを起こしてもらうための仕掛けが必要です。これは通信販売を原点としたダイレクトマーケティングの手法です。

いい商品が売れる時代ではなく、売り方がうまい商品が売れる

というのは、ダイレクト出版の寺本さんが言ってた言葉で、そのとおりだなと思います。

町の小さなお店は職人気質のご主人が多いです。腕に、技に、自信を持って一大決心して自分の城を持ったのです。しかしこれからは売り方、お客の集め方にも目を向け研究しながら取り組んでもらいたいです。

飲食店経営に悩んでいるのであれば、勇気を持って新たなビジネス形態に取り組むことにもチャレンジしてみてください。

 

 

投稿者プロフィール

山田 浩太
山田 浩太つくる合同会社 代表社員
2015年5月につくる合同会社を創業しました。
WEBマーケティングとかダイレクトマーケティングには常にアンテナ張ってるマーケティングオタクです。