マーケティングにおけるオファーとは、顧客(見込客)に対して商品の購入や契約をしてもらうための提案、条件の提示のことを言います。

「今◯◯に加入すると、1ヶ月無料!」
「今◯◯購入で◯%OFF!」

このような売り文句をよく目にするかと思いますが、販売促進のために顧客の背中を一押しするきっかけとして使われるこれらが代表的なオファーです。

世の中の広告にはたくさんのオファーがありますが、その分顧客はオファー(特典)慣れしているとも言えます。

「うまい話には罠がある」という言葉があるように、人間には潜在的にお得な話には警戒する側面を持っています。

そこに「信頼」「証拠(証明)」を付け加えることによって、顧客(見込客)は「信用」し、オファーを受けることによって契約が成されるます。

Offer

顧客(見込み客)はなぜあなたの商品を購入するのか

顧客(見込み客)は、あなたの商品を購入することで得られる自分のメリットとその対価を一瞬のうちで比較検討します。

それは年齢性別に関わらず、人は瞬間的に頭の中で考えているものです。

僕自身が最近体験した事例をひとつ紹介。

今週、長崎県平戸市田平町という小さな町で仕事をしてきました。

クライアントであるスーパーの宅配会員を集めるのがミッションです。

地域の平均年齢は60歳を超え、まぁこう言ってはなんですがそりゃもうかなりのど田舎です。どれくらいど田舎かというと、ネットインフラは光も未だに来ていないADSL回線。モバイルもLTEはおろか3Gもままならないので、滞在中はけっこう苦労しています。

クライアントであるスーパーは地域の高齢化、押し寄せるコンビニや大手ドラッグイレブン系チェーン店らとの競合に備え、資金を投下し宅配事業を立ち上げた経緯です。

このスーパーが宅配会員を募るにあたり提示したオファーは

  1. 登録料・月額料無料
  2. 好きなときに好きな分だけ頼める
  3. 今月中に登録すると2000円相当の商品をプレゼント ←ここがオファー

1と2でまず「無料であり、宅配は好きなときに注文することができる(強制はない)」と顧客側のリスクを取り除いています。

そして3がこのスーパーの宅配会員促進のためのオファーです。地域の人が日常的に消費しそうなものを4つほど用意し、その中から好きな商品を選んでもらうという仕組みです。(これはセールストーク上のテクニックにもなるが、宅配会員加入の選択よりも先にプレゼント特典を4択で選んでもらうことによって、登録することが自然な流れになります)

あまりの太っ腹にびっくりされることもよくあります。

それくらい顧客(見込客)に強烈なインパクトを残しメリットを打ち出し、ノーリスクでサービスを受けることができると感じてもらえればかなりの確率で宅配会員の申込書にサインをもらうことができます。

スーパーなど小売業というのは利益率も低く、さらに仕入原価高騰や価格競争激化の中で戦っている業界なので、おそらくCPA(顧客獲得単価)にここまで資金を投じている企業は全国でもそうないんじゃないでしょうか。

売り手目線ではなく、買い手目線(顧客視点)に立つことによって、ビジネスの成長スピードは確実に上がります。

このスーパーにしても、これまでの店舗販売体質だけに頼らず、時代背景の変化や競合との差別化のために一大決心の元、これから顧客リストを獲得していくことになります。

これからの時代、特に店舗型ビジネスで顧客獲得に苦しむひとがいれば、参考にしてもらえるのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

山田 浩太
山田 浩太つくる合同会社 代表社員
2015年5月につくる合同会社を創業しました。
WEBマーケティングとかダイレクトマーケティングには常にアンテナ張ってるマーケティングオタクです。